私の瞳に映った、とある王子様の物語について

ミュージカル『テニスの王子様』青学vs比嘉公演の幕が閉じてから2週間が経ちました。

約2ヶ月間わたしが追いかけ続けたあの光景を少しでも記憶に留めておきたくて、こうしてブログという形で残すことにしました。


晴美ちゃんに刃向かう姿に一目惚れしてから、11年来凛ちゃんのオタクです。(ジャンルとしてずっと一番に追いかけていたかっていうとそんなことはないので偉そうな口は聞けないのですが。)

自分の信念を貫く凛ちゃんがかっこよくて、羨ましくて、眩しくて、憧れで、大好きです。

テニミュは2nd四天からで、今は毎公演一箇所は遠征するようになった程度のオタクです。ぺーぺーです。

 

そんな女が、初めて板の上に生きる自分の王子様に出会った時の衝撃たるや。

そこに凛ちゃんがいたんです。目の前で喋って、笑って、試合をして。さらには、試合が終わった後も彼の物語は続いていたんです。そこに生きていたんです。

テニミュの魅力は十分知っているつもりだったけれど、知るだけではなく体験しまくった2ヶ月間になりました。


さて、そんなこんなで、以下、青学vs比嘉公演で凛ちゃんを追いかけ続けたオタクの感想文です。

絵も描けなければ文章構成力も無いオタクなので、乱雑なメモ書きの自分用まとめみたいなものですが、お時間ある方は暇つぶしにでも使ってやってください。(そして凛ちゃんについてお話ししてください…)

 

■ベンチワークについて

そもそもの大前提として、わたしの中で平古場凛は
・一歩引いたところから全体を見れる人(外からの視線を理解している人)
・面白い試合が好きな人
・真剣勝負を面白いと思う人
・自分の"好き"に忠実な人
だと思っています。

今回のベンチワークを考えると、一貫して、お互いが全力の真剣勝負と、ワクワクするものには敵味方問わず素直に楽しんでいて、一方で展開が見えた(見えている)ものからは興味を失くしていて。
やっぱり自分の感じたままを貫く子なんだなあと感じました。

その上で、それぞれの試合のベンチワークについてです。

 

【佐伯戦】

試合にまったく興味を持たず、座り込んで、ボールを追うことすらしない。

上記前提からいくと、そりゃあ甲斐くんが右手で勝てるような試合には興味ないよなと…

ただ、毎度ではないんですが、試合中なにか物思いにふけってる時があって、「テニスボールはナイフじゃない」のときにラケットを見つめることがあって、それがまるで今の自分たちのあり方に疑問を持っているようにも見えました。

そこでラケットを見つめると、その後の「一番重要なことよりもっと大切なものがある」の時にも自分のラケットを見るんですよね。

 

以前ツイッターで、ラケットは自分のテニスのメタファーという解釈を拝見して、この試合はもしかしたら凛ちゃんにとってきっかけの試合になったんじゃないかなあなんて思いました。

 

【S3】

ここは興味を持たない試合、というより試合中に興味を失くす、が正しいように思います。

たぶん定点してなくても試合中に凛ちゃんが寝るのはご存知な方は多いかと思います。(ベンチの攻防となすり付け合い可愛いですよね)

この試合は興味を持つポイント、失うポイントがとても分かりやすいです。

明らかに興味を失くすのは慧くんのビッグバンでリョーマくんがラケットを吹っ飛ばされたとき。結局返せねーのか。って。

その後は慧くんもリョーマくんも、お互いにサービスゲームを落とさない、ある意味単調な試合展開ですよね。
慧くんのビックバンは破られないって信頼もあるのではとは思うけれど、凛ちゃんにとっては面白くないんだろうなあ。

興味を持つのは、もちろんリョーマくんがビッグバンを打ち返したとき。面白いものを見つけたような目でリョーマくんを見るんですよね。(へえ…と笑ってフェンスに頬杖つくのカッコ良かったです)

Be Coolが始まると、慧くんの負けを確信して自分の試合に向けて準備を始める。
ここ、田仁志はもうダメだ、って試合から興味を失ったようにも見えるんですけど、たまに青学っていう面白いヤツと早く戦いたいって闘志を燃やしてるように見える日もありました。

ただ、その前に永四郎をチラッと見るんですよね…凱旋後半からは知念くんに対して、永四郎めっちゃ怒ってるから見てみろよ(笑)って感じで茶化すようなモーションが増えてたんですけど、ここで永四郎の反応を見るのが比嘉だな〜って思いました。絶対の司令塔。

それと、この動作が「そろそろわんの出番かねえ」に対してつながるように見えるので、S3でかなり好きなベンチワークでした。

 

【D2】

後述します。

 

【S2】

知念くんの「なま、2人に見えた」まで一切試合を見ません。(詳しくはこちらも後述します)
この台詞によってようやく意識を試合に向けるんですけど、例のごとく甲斐くんは右手で舐めプしているもんだから凛ちゃんはイライラするんですよね。くったーに余裕なんかこいてたら喰われるしが!って言うように。

でも、バイキングホーンを初めて繰り出す時、凛ちゃんはコートの方見ないんですよ!
これ、甲斐くんへの、比嘉のエースへの絶対的な信頼が見えてすごい滾りました。

そして、菊丸くんが吹っ切れてから、めちゃくちゃ楽しそうに試合を追うんです。フェンスに張り付いて、すげえ…ってこぼしたり、キラキラした目でボールを追うんです。

多分それは、お互い全力で一歩も引かずに戦ってるから。
「1人でもダブルス」中だから甲斐くん劣勢に見えるんですけど、あくまでもこの試合って「お互い一歩も譲らずタイブレーク突入」なんですよね。そりゃあ楽しいよね、ワクワクするよねって、見てて胸がギュッとなりました。

バイキングホーンが決まった時がほんとに嬉しそうで楽しそうで、大好きな表情をしていました。

 

でも、試合は負けてしまって、比嘉中としての夏は終わってしまって。俯いてしまう永四郎以外の3年生とそれを呆然と見つめる新垣くんの対比で胸が締め付けられる。

それでも、甲斐くんがベンチに戻ってくると、まるでお疲れ様とでも言うように、凛ちゃんは笑って迎え入れるんですよね。(ここの他の子の表情知りたいです…)
この行動でも、最初に述べた通り凛ちゃんは「一歩引いたところから全体を見れる人」だなあという思いが強くなりました。

自分の感情のままに動く一匹狼のようでいて、その実、仲間思いの優しい子でもあると思うんです。

うなだれる甲斐くんのそばにそっと寄り添う凛ちゃんをみて、励ます時は外から背中を支える子なんだろうなって。こう思ったのは甲斐くんは中から引っ張り上げる子だと思ったからなので、3-2は対極だっていう話はまた別でしたいです。

 

【D1】

ここでひとつ仮説を立てるんですが、凛ちゃんは自身の試合を通じて青学を面白い奴らだと認識したのではないでしょうか。
面白い奴らとの試合だから、長いラリーか続いてもずっとワクワクして見ていたのではないかなあと思いました。

それから、不知火くんがポイントを決めると、甲斐くんに自ら拳をぶつけに行くんですね。
これ、凛ちゃんからっていうのがポイントで。きっと甲斐くんを励ますような、鼓舞するような意味合いもあったのではないかなと思っています。

凛ちゃんとは別ですがD1のスピードの対比を表現する演出めっちゃ面白かったです。

 

【S1】

永四郎優位で試合が展開している最中も永四郎すごいだろーって顔していて可愛いんですが、百錬自得の極み発動後からが素晴らしいなと思いました。

凛ちゃんはこの試合はどんな状況になっても目を逸らさないんです。比嘉以外の人たちは、もう手塚の勝利を確信するどころか、勝敗すら意識してないんじゃないかっていう状況であっても、目は逸らさないんです。
永四郎がどんなにボロボロになっても、どんなに惨めでも、目を逸らさないんです。

それから、凛ちゃんはうつむかないんです。手塚が「そんなお前の勝利を部員たちは望んでいるのか」と投げかけた時も、凛ちゃんは下を向かないんです。

さらには、目を逸らしてしまった新垣の肩を掴んで試合と向き合わせる。
これ、S3では誰より早く試合を見限った凛ちゃんと、誰より必死に最後まで応援していた新垣だったからこその対比が活きてくるなあと思いました。

ただ、最後、永四郎の負けが決まる瞬間だけは唯一試合から目を背けて俯いてしまうんです。
これ、どういうことなのかまだうまく言語化できていないので、今必死にこねくりまわしています。

 

■D2について

【感情の変化について】

この試合を見ていて一番好きだったのは、凛ちゃんの感情の変化を感じることでした。

最初はどこか青学を見下しているというか、立海とは別の意味で勝つことを義務としか捉えていないような雰囲気があって、「テニスとは」と説かれることに苛立っているようで。

でも、どんどん白熱する試合に夢中になって、そうこなきゃ面白くねえって言う凛ちゃんが本当に本当に楽しそうで、楽しいって感情が爆発してて、その感情でわたしの心がブン殴られて、いつもキャパオーバーになってました。

その後のコートチェンジは走ってするんです。1回目はあんなに気怠げだったのに。
とにかく早く試合の続きをしたくてしたくて、小さい子みたいで、対戦相手以外なにも目に入っていなくて。
この時の凛ちゃんは天衣無縫に近かったんじゃないかな、なんて思ったりもします。

そして、永四郎からの2回目の指示。
自分の信念を貫く姿はカッコよくて、眩しくて、わたしが中学生の頃恋に落ちた王子様がそこにいました。

「うり!後がないぜ!どーするばあ!?」って言う凛ちゃんがほんとうにキラキラしていて、テニスは楽しいって全身で表現していて大好きだったなあ。


【試合後について】

わたしがテニミュで見ることを楽しみにしていたシーンのひとつが、試合後の握手からの「広れーや、全国」までのシーンでした。

わたしにとってほんとに大好きな台詞で、どんな表情をするんだろう、どんな気持ちで知念くんに声をかけるんだろうって、初日は緊張しすぎて心臓がヤバいことになってました。

タカさんを中心に笑い合う青学ベンチ(想像です)を複雑な笑みを浮かべて見つめて、そのままベンチに帰ろうとするんですが、茫然と立ち尽くす知念くんを見つけて、フッと笑ってまるで励ますかのように背中を叩く。
この台詞は凛ちゃんの今の心情そのままでもあり、知念くんが自分を責めないように、そっとすくい上げる台詞でもあるのではないかなと思いました。

ただ、試合後のベンチで1人になると、悔しさをにじませる凛ちゃんがいるんです。
ここがテニミュのすごいところだなって思うんですけど、漫画に描かれていないけれど確かに存在した彼らの物語を見ることができるんだなって。

S2が始まっても試合に意識を向けることもなく、空を見上げ、自分の右手を見つめ、下を向くこともあるし、たまに目の辺りを拭うような仕草をする時もあって。

試合後のベンチはその日感情のまま動いているようで、同じ日はなかったのですが、いくつか印象深かったものを残します。

ひとつは、右手をみつめて、握りしめて、拳をベンチにそっとぶつけたとき。やりきれなくて、でももう終わってしまったことで、自分の中でじわじわと消化させてるようでした。

それから、握った右手に額を近づけて俯いたとき。めちゃくちゃ悔しそうで、まるで泣いているかのようでした。

真剣勝負は清々しいけど、負けることは悔しいっていう当たり前のことに改めて気づかされました。

でも、2/11昼かな、セイヤーのコール当番の時、清々しい気持ちと言ってくれたこと、あの台詞は呪縛から解き放たれた台詞なんだって、確信することができて、わたしは救われました。


【大飯匙倩後の右手について】

ミュを見るまでは大飯匙倩を打つと右手が保たなくなるってどういうことだろう?と思っていたのですが、硬く握りしめすぎて、力を入れすぎて手が固まっちゃうんですね。(ずっと重い荷物握ってると指が開かなくなるあれです)

大飯匙倩が返された後、開かない右手からラケットを無理矢理引き抜く姿を見るのがとにかく辛かった。その右手をベンチから見えないように、誰にも悟らせないように、体の後ろに隠すのも辛かった。

凛ちゃんはかっこ悪いところは本能的に隠すようなタイプだと思ってるのですが、そういうところもかっこいいんですよね。


【ゴーヤ嫌いについて】

これは余談になるんですけど、わたし凛ちゃんのゴーヤ嫌いに異常なまでに執着してる節があって、本編中の「ゴーヤだけは勘弁」の言い方がどうしても腑に落ちなかったんですね。ああこの凛ちゃんもゴーヤ食べられるなって。

こちらはツイッターで「あれは永四郎の冗談」っていう感想をみかけてやっと和解したところがありました。

でもやっぱり寂しいなあと思うところも少しあったので、凱旋に入って言い方が変化したのがめちゃくちゃ嬉しかったです。
大楽は表情も声のトーンもわたしの理想形でした…

 

■最後に

凛ちゃんのベンチワークは一本筋が通っていて、ひとつひとつの行動に理由がみえて、ちゃんとそこに物語があって、凛ちゃんの人生を覗いているようでどきどきして、目が離せませんでした。

だから、岩城くんに最大の感謝を。
あなたのおかげでわたしは凛ちゃんに会うことができました。
垣間見える素顔があまりにも純朴で、板の上の平古場凛と合致しなくてたまに混乱するんですけど、それは沢山の努力を積み重ねてくれたからなんだろうなと思います。本当に本当にありがとうございました。
誰目線だよって話なんですけど、どうかこれからも凛ちゃんをよろしくお願いします。

そして、やっぱりわたしにとって凛ちゃんは1番の王子様でした。
3rd比嘉公演、素敵な比嘉中をいっぺーにふぇーでーびる!

もう少しだけ凛ちゃんがこちらの世界で生きている時間を楽しみたいなって思います。
まずは待ってろドリライ〜!!


xxx


(おまけ)

以下個人的な凛ちゃんの好きだったところ抜粋です。
多いに主観が入っているのでわたしの勘違いもあるかもしれません…すみません…
毎回やっていないものもありますが、円盤の全景を見るときにでも思い出してくれたら幸せです。

≪1幕≫

■校歌

・1回目の「僻んじゃいないぜ」の後の動き(大楽は肩が見えるオプション付きだった気がする。)
・自ソロ後のジャージ捌き
→桃ちゃんしかり、前開きジャージはヒーローみたいだなっていつも思います。
・永四郎の指示(?)で上下(かみしも)分かれて踊るときに一度だけ他のメンバーのことをまるで「行くぞ!」って鼓舞するかのように振り向いた事がありました。


■一つやり残したこと

・桃ちゃんの「あんな汚ねえ連中に〜」の台詞の時。
→凱旋ではやらなくなっちゃったんですけど、甲斐くんと顔を見合わせてニヤッと笑うのが悪友〜!って感じでテンション上がりました。


■幕は切って落とされた

・「何をふざけた事を言う」の頭トントンからの一連の動きは後世に語り継がれると思う
・「受け流す」の動きはなんかかわいい
・最初の「カーテンコールを受けるのは俺たち」後、ニヤッと笑いながら掲げた手をゆっくり握る動作


■荒行曲

・「そのために手段は選ばないからな」のときの凄味のある笑み
・2/16背中のチャック全開事件は忘れません。


≪2幕≫

■ゴーゴーダッシュ(仮)

・「バチバチ弾けて」のときのモーション(大飯匙倩)
・「♪No.1〜」で直前まで勝気な笑みを浮かべていたのに突然流し目をするところ
・変更後もかっこよくて好きだけど「応援頼んだぜ」後は変更前がより好みでした…(旧:ラケットは真っ直ぐ斜め下に、髪の毛をさらっと。)


■テニスとは

・「俺たちアスリートにとって〜」のときに甲斐くんがジャージピッ!ってするの可愛いですよね。ちゃんとにふぇーってするものの、凛ちゃんは試合にしか興味がいってないのかっこいいですよね。
一度不知火が凛ちゃんの乱れた髪の毛直すところを見て動揺したことがあります。
・「最後のテニスを」のときのジャージ捌き


■バイキング2017(仮)

・イントロで一人で先陣を切って青学に特攻かますところ
・船に乗る時は永四郎に先を譲るところ
・コートの丈が王子様みたいだった。永四郎が衣装デザインした説推してます。


■アイアムキラー(仮)

・イントロ、ベンチに戻る直前の永四郎を見る角度が絶妙
・永四郎のメガネの上げ方を真似するフリのところ
・「アイアムキラー(バキュンポーズ)」の流し目


■リユニオン

・「♪もう負けないって〜」でのジャケットプレイ
・清々しい笑顔で歌ってくれるから、こちらも救われるんです。


■セイヤー

・あの笑顔はずるいよな!!!
・凛ちゃんが「テニス最高」って歌う姿をみれて幸せでした。


以上です!

支離滅裂な文章にも関わらず、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

ひのえ